「その預金、トキさんからもらった三百億円に埋もれたね」 「上手いことを言うなあ」 友哉がそっと利恵の手首を持った。 「なに? 脈拍?」 脈拍を取られている。利恵が上半身だけを起こして、ベッドに座り直した。 「大丈夫だな。熱もなさそう」