だが銃弾の一部は体に命中しているように思っていた。それを気にして体の動きを止めた時に、テロリストの男が友哉の眼前に立った。
「なんだ。おまえは 日本人なのに」
 目を剥いている。観光客の一人が突然拳銃で応戦してきたのだから、驚いて当たり前だ。
 友哉が腰砕けになっているのを見た彼は、うっすらと笑みを浮かべた。散弾銃を捨てて、45口径の銃口を友哉の胸に向けている。