第九話 ゆう子の右手

 ロスアンゼルスから友哉が帰国した後、ゆう子は、友哉に腕時計をプレゼントしようと思い、銀座に出かけた。
 ところが店に入って決めた腕時計を買おうとすると、店員に声をかけるのに躊躇し、足は石になったように動かず、ゆう子は解せない顔つきで首を傾げていた。しまいには気分が悪くなり、購入をやめた。