第十三話 ずっと、あなたが好きだった

『第十三話 あらすじ』
「利恵を愛するために涼子との関係を清算しようとする友哉だが、元米兵幹部に狙われ、元カノのセクシー女優、奈那子も謎の男たちに狙われる。ストレスで怒り心頭の友哉をサポートするため、トキの側近たちが遂に動き出す。」

 友哉が常宿にしているホテル・インディゴ東京の部屋に、さっきまで利恵が遊びにきていた。
 ゆう子のマンションで倒れたあの日から五日経っていて、友哉が起きると涼子は帰っていて、いなかった。
 翌日から日曜日までは、予定通りにゲームやセックスに興じ、三人はとても仲睦まじく大いに楽しんだ。

 トランプやウノの罰ゲームでは、友哉がゆう子の前で好きな女優の名前を言わされたり、利恵が友哉から奪った一億円のうちの一千万円が没収されたりした。ゆう子の罰ゲームはマンションの前にいるパパラッチの前に行って「勝訴」と書いた紙を見せてダッシュして帰るという過酷なもので、なのにゆう子はそれをやってのけた。これまでもマスコミの前でふざけていることが多かったようで、カメラマンたちがシャッターを切らなくて、ゆう子が、

「おかしいな。休んで一年も経ってないのに見捨てられたか」と力なく笑うと、「ゆう子さんは真面目な社会貢献をしたらスポーツ紙の一面トップよ」と利恵がバカにして友哉を爆笑をさせた。

 さすがに疲れたのか、月曜日は三人は会わずにいたが、火曜日に夜に、友哉が常宿にしているホテル・インディゴ東京の部屋に利恵がやってきて、フレンチのディナーに舌鼓をし、そしてベッドに入ると、
「もう会社をやめて、完全な愛人になる」
 利恵はそう言って、なんと泣き出した。
 恋人ではなく、愛人としか言えないことに泣いたのだと友哉は思い、

「お金をもらったことは気にしないでいいよ。俺が独身なのに愛人って言うな。付き合い方で見ると、ゆう子の方が愛人っぽいぞ」とジョークも混ぜながら慰めたが、利恵の涙は止まらなかった。松本涼子の存在に怯えていることを友哉は知らなかった。
「ゆう子さんとのホームパーティー、最高に楽しい。あなたと別れたくない。だけど、わたし、カミングアウトするから今日、別れてもいいよ」

 利恵は唐突にそう言った。
「またカミングアウトか。どうぞ」
 優しく笑うと、安心したのか、
「カラオケボックスをラブホ代わりにするようなセックスをずっとしてた。いろんな男たちと。知り合いが連れてきた知らない男もいた」
と言って、すっきりしたのか帰り支度を始める。

「帰らなくていいよ」
 友哉は利恵の手を握ったまま、彼女をまたベッドに引きずり込んだ。いったん、スカートを穿いた彼女のそれを脱がせ、全裸にしてしまう。
「カラオケボックスをラブホ代わりか。若気の至りとはいえ、そんな女を結婚対象にする男は、自分に自信がない、何もかもあきらめている男しかいない。またはセックスできれば、どんな女でもいい男かな」

「変な批判しながら、脱がさないでよ。帰れない」
「ヤリマン、何人くらいとやった?」
「今どき、ヤリマンなんて言わない。ビッチでしょ。三十人くらいかな。フェラだけとか含めるともっと多い。寝取りの経験はないけど、3Pはある。男たちとカラオケボックスからラブホに流れ込んだ。最悪だ」