と言った。その暗闇には彼女の嫌いな人間はいないのか、なんの風景もない黒色をずっと見つめていて、目を逸らさない。心配になった友哉は、
「本当に俺との三年後の夢しかないのか」
と訊いた。ゆう子は、唇についた精子とティッシュの粕を舌なめずりをするようにもう一度、舌で拭った後、
「当面はあなたとずっと一緒にいること」
と言った。それから唇の乾燥を防ぐためのリップを塗った。