ゆう子は友哉からさっと離れて、深呼吸をした。
「お互いおかしいな」
「友哉さんも? わたしを奥原ゆう子ってことは忘れて、ただのラブドールと思っていいのよ。本当はそんなの嫌だけど、とりあえず慣れるまでよ」
「少しは慣れてきたけどねえ」
「おかしいな。パニックでセックスができないことはないはずなのに。あ、セックス経験はほとんどないよ。ああ、どうしよう。なんて言えばいいのか」